身延山ロープウェイは、「支索」と言う太いロープ(索条)を線路代わりに使って、2台のゴンドラを「曳索」(えいさく)と「平衡索」(へいこうさく)と言う細いロープで上下させる「交走式」のロープウェイです。それに対して、スキー場で見られるリフトやゴンドラリフト等は「循環式」と呼ばれる方式を採用しています。
支索は鋼線をより合わせた直径56mmのロープで、この上をゴンドラを吊り下げている溝のある車輪(受索輪)が動きます。このロープは山頂の端は固定されていますが、山麓の端は右図の様に、56tの重り(緊張索重錘)で引っ張られており、ゴンドラの位置や風等による力の変化に「柳に風」と柔らかく対応します。
直径56mmの支索で重いゴンドラを吊り下げ、更に定員41名もの人間を乗せて、ロープが切れたりしないのか?との疑問も湧くかも知れません。しかし、鋼線をより合わせたロープは非常に強く、これ以上の力を掛けると切れてしまうと言う力 ── これを「破断力」と呼びます ── は、何と278tもあり、大型トレーラーやアフリカ象を吊り下げても、びくともしない程の強度があります。